2010-09-02(Thu)

穂高岳登山(17) 「前穂・北尾根」

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 穂高岳登山(17) 「前穂・北尾根」 
(画像は和田様、他の方の御提供による、現地イメージ写真です)





吊尾根から望む前穂と北尾根:dh39






涸沢越しに見る前穂と連なる北尾根:dh40





雨は風をともなって、更に激しくなっているようだ。

ある方角から、何やらカラカラと音がした。 
見ると濃霧の中から三人のパーティがこちらの方へやってくる。 
男子2人、女子1人のパーティであった。

肩にザイルを巻き、腰に数個のカラビナを付けている。
登攀グループであった。 

カラカラと音がしたのはガレ場を踏む音とカラビナの鳴る音だった。


「お疲れさんです。 北尾根ですか・・?」

「はい、濡れててしんどかったですよ・・!」


三人ともこの陽気で相当なアルバイトをしてきた筈であるが、いずれも笑顔で満足そうである。 
山は相当なベテランらしい。


前穂の北尾根は、準ロッククライムのルートで、アイザイレン(二人以上が相互安全確保のためにロープを結び合う行為。 危険を伴う箇所で岩壁、氷面、雪面等の登降では、安全を確保するために二人以上をロープで結ぶ)して安全を確保しながらの登攀であることは、ある程度承知していた。



ところで、先ほどの二人は男女のカップルパーティと思われたが、気が付いたら其々の単独行者であった。
男は既に出発していたらしく、残された女性が小生の方に向ってきて、

「すませんけど、奥穂はこちらで宜しいでしょうか・・?」、

未だうら若き人であったが、装備は既に山慣れした雰囲気がある。


女性にそう改めて問われると、霧に巻かれた山頂は方位が定かでない。 
それに、はっきりした道標が有るわけではなかった。 

確信があるわけではないが・・、(確信がなければ、行動は厳に慎まなければならない)

「多分、こちらでしょう。 私もそちらへ向いますので、宜しかったらどうぞ」
小生は歩き出した。 

休息中の三人に向って、
「お先に・・、」と声をかけると、

「どちら・・?、奥穂方面だったら、こちらですよ・・!」 とたしなめられた。 

更に、
「この霧の中、このままだと北尾根へ出ちゃう恐れがありますよ。 この天気だと下山ルートとしては困難かもね」 

元より北尾根なんかに向うつもりはないのである。

「あ、どうも。 実は我等は奥穂へ向うところです。 どうも、どうも」
恐縮しながら向きを変えた。

続く・・、


尚、写真掲載の大部は「和田様」、他のの御提供によるものです。
和田氏ホームページへ  
http://www.tok2.com/home/pokopoko110/newpage172.html






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