2010-09-09(Thu)

穂高岳登山(23) 「南稜の頭」

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 穂高岳登山(23) 「南稜の頭」 
(画像の大部分は和田氏提供による、現地イメージ写真です)



霧の中に消え行く彼女を見送りながら、大きく深呼吸する。 

ザックのポケットより酸っぱいレモンを取り出して吸い込み、 併せてチョコを少々齧(しゃぶ)る。  
その後、深呼吸を数度繰り返すうちに、少々生気が戻ったみたいである。 
あの酸っぱいレモンが今では甘くも感じるので、疲れの度合いが判るというものだ。


今まで、人一人の同行者があって、所謂、人の気配が常に有って心身を紛らわしてくれたが、今は一人ぼっちである。

大自然の真っ只中、それも優雅な大自然とは全く異なる荒々しき猛威を振るう山域であり、高山の危なっかしい岩だらけの山中である。

しかし、物思いに耽っている場合ではない。 
日が落ちて闇が襲ってくる時間帯が近づいているのである。 

気を取り直して、立ち上がり、前身・・!!。


巨大な山稜を一歩一歩、歯を食いしばりながら歩を進める。 

1、2、3・・10歩、歩んで一息、 1、2、3・・10歩、歩んで一息、の繰り返しで前進する。

おまけに、叉々、クサリ場がお出ましである。

ここは一番、腕力を頼って攀じ登る。




吊尾根最後のクサリ場:dh58




続いて、ほぼ一枚岩のクサリ場:dh57



南稜の頭:dh59


更に、一枚岩のクサリ場をやり過ごし、ヨウヨウにして巨大な山稜頂部に出た。 

指導標に「南稜の頭」とあり、左右に奥穂、前穂方面が記してあった。 

何のことはない、奥穂の前衛の山稜であった。 


方面を覗うと霧に巻かれながらも、眼前に真っ黒い巨大な物が見えている。 
今度こそ間違いなく奥穂高の山稜であろう。 

圧倒するようだ・・!!。


重いザックを背負って吊り尾根を奥穂へ向うとき、その道のりは非常に遠かった。
岳沢から見上げた複雑な陵線から予想されたことだが、何度もピークを越えても、まだその先にピークが現われ、山頂にはなかなか到達できないのである。

何度も何度もアップダウンを繰り返し、これでもかと言わんばかりの苦渋を味わいながら、ようやくにして奥穂頂上に到着するのも、やっとのことで時間の問題となった。

そして、何か、何故か、力が蘇ってくるようだ・・!。


南稜の頭をやや下り加減で、そして奥穂の最後の・・、多分、最後と思われる登りにかかる。 

一気に行こうと思ったが、気が早ってもやはり身体は言うことを聞いてくれない。

歯軋り(はぎしり)をしながら歩んでも一向に届かないのである。 
山も一緒になって進んでいるようだ。 


暫らく、奥穂のピークのことは忘れて、再び、1、2・・・9、10歩、 1、2・・・9、10歩と、地道に何回もやり返す。 


そうする内、斜度が急に緩やかになり、ガラガラのガレ場が現れた。 
気が付いて表を(顔を)上げると、モウこれ以上の高目は無かったのである。 


続く・・、


尚、写真掲載の大部は「和田様」の御提供によるものであり、ご協力に改めて感謝いたします。
和田氏ホームページへ  
http://www.tok2.com/home/pokopoko110/newpage172.html



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