2011-07-17(Sun)

尾瀬紀行(37)裏燧林道 「裏燧のブナ林」

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 尾瀬紀行(37)裏燧林道 「裏燧のブナ林」  ,





西田代付近から会津の山並




ブナ林-



西田代があり、次に、小さな林を挟んで横田代となる。

雪原の中、横田代の標識が頭だけ見せていて、『 見晴7.4km⇔⇔2km御池 』とあった。
次がノメリ田代で、オオシラビソなどの木立の多く、ここの傾斜湿原では階段状になっているのが判る。 
雪解けとともに池塘や湿性植物が現われてきそうである。


ここを過ぎると、太古の昔へ押し入ったような、鬱蒼とした大樹の生い茂る樹林帯に突入する。 
概ね、ブナの大木であるが、ところどころにトド松やダケカンバが混ざりあった原生林である。 


未だ、陽が昇って間もないというのに中間で光が遮られ、足元は何となく薄暗さを感じる。
そして、小鳥のさえずりと足元に軋む雪の音が妙に悲しげに聞こえてくる以外は、全く寂々とした世界である。

大自然の懐にスッポリ収まっているような、もっと純粋な気持ちで大きく胸を張って、自然の息吹き、躍動感を感じるはずであるが、ヤケに前方ばかり気になって仕方がないのである。 変化の無いモノトーンの世界のせいか、それとも帰路に執着しているせいか意気が上がらないのである。
やはり会津駒の断念や左足不調の影響によるものか・・?。


そんな時、年輪の嵩んだブナの大木に、ここを通過した人達によるメモリーマークが小さく彫られているのに気が付いた。 

この、このブナの原生林、ブナの大木を見ると、登山道の脇のブナの幹が、ある箇所ではほとんどすべてと言っていいくらいナイフで傷つけられているのだ。
名前を彫りこんだものがほとんどでであるが、なかには五・七・五の句や訪れた日を記されている。

5年前、10年前(昭和40年後半からみて)から昭和一桁台のものも結構ある。 
我らの生前のものであり、考えるまでもなく今では相当のご年配者に達しているであろう。 

そんなことを考えながら思わず幹を撫ぜ、何故か励まされているように心が和む。
だが、生きている生物に人間の勝手で傷をつけることは批判されても、決して褒められることではない。


それにしても人の移り変わりは激しく感じられのに、これら、大自然の不動の姿はどうであろう・・!。 
自然の偉大さや時の流れの映りようから見ると、人間なんてまるで「カゲロウ」のようだとはよく言われる。 

否、カゲロウついでに、人間は地球から見ると「シロアリ」と喩える人もいるようだ。 
人間のみが他の生物の循環社会から食み出し、しかも、地球を蝕んでいるからであろう。
それに比べるとブナの大木にマーキングするぐらいは、存外、許されてもいいのかもしれない。


次回、「天神田代




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