2011-10-11(Tue)

南ア・仙丈ヶ岳紀行(7) 「伊那の里」

.




 南ア・仙丈ヶ岳紀行(7) 「伊那の里」 




伊那谷から見る「仙丈ヶ岳」の勇姿



伊那谷を南北に走る国道152号線は、杖突街道と秋葉街道を縦貫して通る。 
現在、この国道は途中の地蔵峠・青崩峠(崩壊中)では荒廃していて車は通行出来ないが、(迂回路がある)この南アルプスの山裾の谷間のを走る一本道は、昔の主要幹線道路であった。

戦国時代は武田信玄が京侵出の為の三河攻略の軍用道で、信玄が武田軍3万人を率いて通過したところであった。  信玄はここを越えて浜松付近に下り、迎撃してきた信長・家康連合軍を「三方ヶ原の合戦」で破っている。(信玄はこの戦の後、急死している)

それ以前の南北朝時代には南朝・宗良親王(むねよししんのう;室町初期の時代の皇族で後醍醐天皇の皇子)の南朝方の戦略の道でもあった。
南北朝の戦乱の世、宗良親王は大河原(現、大鹿村)に入り、この地を凡そ30年間にわたり拠点としていた。 その為、宗良親王は「信濃宮」とも呼ばれている。 その間、上野国(群馬県)や武蔵国(東京、埼玉県)にも出陣し、駿河国(静岡県)や甲斐国(山梨県)にも足を運んだという。
拠点となった大河原は伊那谷に位置し、南に下れば東海地方へ北上すると長谷を経由して諏訪や関東へと通じる場所にあり、当時は「南朝の道」とも呼ばれ、後の秋葉街道の中心に位置していた。


国道に沿って、先ず上伊那郡「長谷村」は、甲斐駒ヶ岳,仙丈ヶ岳などの高峰がそびえる東部山岳地帯は南アルプス国立公園に属し、1979年には南アルプススーパー林道も開通している。 その北沢峠を経て南アルプスの甲斐駒、仙丈岳、北岳へ至る登山基地としても知られる。

平家落人の里としても知られ、浦地区は壇ノ浦の戦いに敗れた平家の人が住み着いたため、その名が付いたという。 
「伊那日光」といわれる国の重要文化財に指定されている華麗な「熱田神社」や宇津木薬師如来、又、この地から甲州にかけては道祖神の多いところとして知られている
江戸期に旅芸人が来て上中尾地区にもたらした「中尾歌舞伎」(無形民俗文化財)は、村民一帯となって演じている。


次に、「大鹿村」は南ア・赤石山系の懐深く山また山の村で、今では信号・スキー場・ゴルフ場が一切ないというのが売りらしい。

しかし、昔は信玄道の拠点であり、更にさかのぼって南朝・宗良親王ゆかりの地であった。
更には、平安時代から荘園としても開発されていたらしい。
その為か、古道を通じて都の文化がこの村にも入っていたことが伺われ、自然とおりなす伝統や歴史文化が今も残る。
重要文化財に指定されている長野県最古の木造建築寺院や歌舞伎・人形芝居などが盛んな地域で、その代表が大鹿歌舞伎(県無形民俗文化財)である。
今年(2011年)、大鹿歌舞伎を土台にした映画;「大鹿村騒動記」で一躍、世に知られるようになった。 尚、この映画の企画者で主人公でもあった原田芳雄氏は完成直後、逝去している。


又、信州南端の下伊那郡上村(かみむら)と下伊那郡南信濃村は、天竜川の支流遠山川流域、赤石山脈,伊那山地に挟まれ、秋葉街道沿いの遠山郷と呼ばれるかっての秘境で、江戸時代初期まで遠山氏の領地であった。

江戸時代は遠江の秋葉神社へ参詣する人々の宿場、所謂、参詣道として栄え、こちらも民俗芸能の宝庫で祭事、古来よりの盆踊り(絵島踊り;高遠藩にお預けになった絵島を偲ぶ歌踊り)、民謡など古くから継承された文化、芸能が数多く残されている。


山深い国道152号線、通称、秋葉街道は、南北朝時代における宗良親王の南朝戦略の道、戦国時代の武田信玄の戦の道、塩や物資を運んだ生活の道、今も残る芸能や文化を伝えた伝承の道、そして、民衆の心の拠り所として広く深い信仰のあった信濃・善光寺から、国造りの神を祀る諏訪大社、火伏せの神として広く信仰された秋葉大権現(秋葉神社)を辿る信仰の道でもあった。 


次回、「戸台口




【小生の主な旅のリンク集】

《日本周遊紀行・投稿ブログ》
GoogleBlog(グーグル・ブログ)   FC2ブログ   C・掲示板   FC2 H・P   gooブログ   yahooブログ

《旅の紀行・記録集》
「旅行履歴」
日本周遊紀行「東日本編」   日本周遊紀行「西日本編」   日本周遊紀行 (こちらは別URLです)

【日本の世界遺産紀行】
北海道・知床   白神山地    紀伊山地の霊場と参詣道   安芸の宮島・厳島神社   石見銀山遺跡とその文化的景観

東北紀行2010内陸部    ハワイ旅行2007   沖縄旅行2008   東北紀行2010   北海道道北旅行   北海道旅行2005   南紀旅行2002


【山行記】

《山の紀行・記録集》
「山行履歴」   「立山・剣岳(1971年)」   白馬連峰登頂記(2004・8月)   八ヶ岳(1966年)   南ア・北岳(1969年)   南ア・仙丈ヶ岳(1976年)   北ア・槍-穂高(1968年)   谷川岳(1967年)   尾瀬紀行(1973年)   丹沢山(1969年)   西丹沢・大室山(1969年)   八ヶ岳越年登山(1969年)   西丹沢・檜洞丸(1970年)   丹沢、山迷記(1970年)   上高地・明神(2008年)

《山のエッセイ》
「上高地雑感」   「上越国境・谷川岳」   「丹沢山塊」   「大菩薩峠」



スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

FC2カウンター
カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
旅と登山の検索コーナー
カスタム検索(サイトに合わせた検索結果を表示)
フリーエリア
【関連リンク情報】
最新記事
カテゴリ
プロフィール

orimasa

Author:orimasa
いらっしゃいませ・・!
「日本周遊紀行及び旅の記録」
にようこそお越しくださいました、
心より歓迎申し上げます。
タイトルの如く、主に日本各地を
巡りながらの情報ブログです。
記事はすべて、管理人自身が
独断と好みで調べたものです。
時々、誤認情報が生じる場合も
ございますので
あらかじめご了承下さい。

では、ごゆっくりどうぞ。




神奈川県厚木市
男性
ベテラン年代