2012-02-02(Thu)

大菩薩峠・紀行(12) 「大菩薩峠」

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大菩薩峠・紀行(12) 「大菩薩峠」 .




大菩薩・下峠;現在の石丸峠



大菩薩・上峠の大菩薩峠



勝縁荘、富士見山荘の両山荘から先はさすがに林道は消えていて、山らしい雰囲気の山道になってきた。
最も多くの登山者が往来するポピュラーな山道は、行き届いて真に歩きやすい。

ゆったりとした上り坂を30分ほどしてブナなどの林を抜けると笹に覆われた斜面、やや急な上りを越えると待望の大菩薩峠である。
福ちゃん荘から30分強、上日川峠・ロッジ長兵衛から1時間弱、裂石登山口から2時間半強といったところであろうか。

大菩薩峠は標高1897m、その峠のほぼ直下に「介山荘」という一回り大きな山荘がある。


峠に建つ介山荘の前から奥多摩方面が眺められる。
集落らしきものは小菅だろうか、その先には奥多摩湖.背後には石尾根の稜線が見える。塩山方面には南アルプス、そして手前に光る湖水は上日川湖であろう。

介山荘の前から北になだらかな稜線が続く。
地図を眺めると、北に見えるピークは「親知らずの頭」や「妙見の頭」であろう。


それにしても「大菩薩峠」という名は、何ともロマン溢れる呼び名である。
峠を有名にしたのは中里介山の長編小説「大菩薩峠」(1913年「都新聞」連載開始)で、昭和に入って登山者が急増したのはこのことを物語っている。

名称の由来については、
「甲斐国志」によれば、新羅三郎義光(しんらさぶろうよしみつ;平安時代後期の武将。河内源氏の二代目棟梁である源頼義の三男。兄に八幡太郎義家や加茂二郎義綱がいる。近江国の新羅明神:大津三井寺で元服したことから新羅三郎と称した)が奥州征伐のとき、この峠で道に迷っていると、一人の樵(きこり)が現れ、義光を山頂に案内した。 山頂からながめると源氏の白旗が笛吹川になびき、招いている。 「ああ八幡大菩薩」と叫んで振り返ると樵の姿は消えていた。 「あれこそ菩薩の化身だったか」と。
ここに八幡大菩薩を祀ったのが大菩薩のはじまりという。


本来、大菩薩の嶺脈を越える峠は、丹波(丹波山通;現、丹波山村)と小菅(小菅道;現、小菅村)と両面があったらしく、これを上峠、下峠と称していた。 
両峠は武州川野村(現在の奥多摩町;奥多摩湖北岸)で別れ、上峠は丹波から「大菩薩道」(丹波道)を経て現在の賽ノ河原(大菩薩峠)あたりへ出る経路であり、下峠は、川野から小菅部落を経て「牛ノ寝通り」(小菅道)という長い尾根道通り、現在の石丸峠に出る経路であった。

しかしその後、江戸末期あたりからは次第に今の大菩薩峠が主体になっていったという。


武蔵と甲斐の境界路であったので、古くから物資交換がこの地で行われていたとされ、又、峠の北に位置する黒川鶏冠山で金が発掘され、武田信玄の軍資金の流通路になっていたともいう。(後述)

大菩薩峠は青梅地方と甲府盆地を結ぶ主要な道筋であったが、明治になって柳沢峠が完成し、国道411号線(青梅街道)が開通して廃れた。
そして、現在は丹波からの大菩薩峠、小菅からの石丸峠、共に登山路として整備されている。


次回、「旧青梅街道




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