2012-03-08(Thu)

大菩薩峠・紀行(34) 「泉水谷林道」

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大菩薩峠・紀行(34) 「泉水谷林道」 .




新緑期の大黒茂谷




峠の丸川荘から朝一番の徒歩で、時間的にも充分の余裕があり、今は、奥多摩の更に奥の大自然を満喫しながら歩んでいる。
冬枯れの時期、どちらかと言えばモノトーンの自然色ながら、そこここには緑の大樹も数多くみられる。
樹はまつ科の(つが)である。
(もみ)と混同されやすいが、樅はどちらかと言うと温帯地域に多く、対して栂は高位度の寒冷地に植生しやすい。 
見分けるには枝先の葉が左右に生えているのが樅で、四方八方に生えているのが栂である。

大菩薩の北側は高度が高いために樅はほとんどなく、栂、コメツガが主林木であることから、黒木(針葉樹および針葉樹林のこと)が茂っていて、そこから流れ出す谷を「大黒茂」と称するのは納得である。 


ルンルン気分で泉水谷の大峡谷の歩道を進む。
沢音や小鳥の囀り(さえずり)を聞きながら自然と一体になり、何とも言えない満足感、充実感で満たされているのが意識できる。
やはり自然は有難く多くの物を教えてくれる。



”回想、山へのキッカケ・・!”

小生の山歩きは実のところ、数年前までは考えてもみなかったことであった。
元より田舎育ちで、自然の真っ只中、自然を相手にしながら成長してきた。
従って、自然と言うものには特に意識することなく、日常の生活の中でも当たり前の存在であった。

成人になって偶々(たまたま)勤めが東京に転勤になり、通常、身に付けたことの無い背広にネクタイで満員の電車に揺られ、着いた所が丸の内のコンクリートジャングル、それでも都会は何かと便利でいいなあとは思いつつ、ついつい、田舎の暮らしが懐かしく思える時もあった。

こんな折、職場の同僚で山歩きの好きな友人に、半ば強引に連れて行かれたのが、丹沢の山(塔の岳)であった。
元より、野山での遊ぶ経験はあったが、一つの山の頂へ向かって登るということは初めてであった。
心配していたとおり最初の20分くらいでばててしまい、疲労と吐き気でギブアップ、
それでも「君のぺースで行くから」という言葉に、悪いと思いながらも、ゆっくりゆっくり歩いて、何とか頂まで達した。
そして、下山後の何とも奇妙な感触を未だに覚えているのである。
田舎のムンムンする草の香りと、山での木の葉の匂いは共通するのかもしれない。
その後は、誘われるままに丹沢の各山、関東周辺の山、谷川岳、八ッ岳、そしてアルプスの各山と休日になると山歩きを楽しんでいたのである。


とまれ、あまり懐かしさには浸ってはいられない。 ここからバスが通う「丹波」まではゆうに2時間はかかるのだ。


次回、「小室川谷出会




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